とあるStartupに勤めるエンジニアの技術ブログ

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B2B SaaSエンジニアMeetup - Sharing Issues Online #1 に登壇してきた!

2020年11月6日(金)に開催された B2B SaaSエンジニアMeetup - Sharing Issues Online #1 に参加・登壇してきました。

smartcamp.connpass.com


今回の発表では、SaaS プロダクトでは重要となる管理画面について話しました。こちらから資料と動画を見ることができますので、よろしければご覧ください。

www2.slideshare.net

www.youtube.com

愛される管理画面の作り方

これまでの受託開発であれば、管理画面はバグなく使えればよいと重視されないことも多かったのではないでしょうか?しかし、SaaS プロダクト開発において、管理画面は重要性が増してきています。

理由としては、SaaS プロダクトの選定・推進・運用が情報システム部門から業務管理部門(人事部、経理部など)にシフトしてきていることが大きいです。ITの専門家でない業務管理部門が自ら SaaS プロダクトを利用していくためには管理画面がITに精通していない人でも習熟できる程度に作り込まれている必要があります。

もし、管理画面が習熟するために多大な労力が必要な場合には、導入時には使いこなせないと判断されてしまう可能性があります。なんとか導入されたとしても他のメンバーに継承されず、管理者が変わってしまうことで活用できなくなると結局解約につながってしまいます。

解約率を下げて活用し続けてもらうことを目指す SaaS プロダクトでは、愛される管理画面を作ることが非常に重要になってきます。

どんな管理画面が愛されるのか?

では、どんな管理画面が愛されるのでしょうか?

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狩野モデル

一般的な品質の考え方として、狩野モデルがあります。当たり前品質を確保し、一元的品質が高めることはもちろんですが、愛されるためには魅力的品質が重要であることがわかります。

管理画面が抱える問題

まず、使い勝手を高めるために管理画面がどういった問題を抱えているか整理します。管理画面が抱える問題としては、下記の3点があります。

① 機能や設定が多く、探しきれない
② 機能や設定がそれぞれ難解である
③ 複数の機能や設定が関連している

これらの問題について、それぞれの解決策を考えていきたいと思います。

PROBLEM ① 機能や設定が多く、探しきれない

SaaS プロダクトはバージョンアップしていくに従い、機能や設定が増えていきます。そのためにどこに設定があるか探しきれなくなっていきます。ツリーメニューなどを準備して探しやすくしたとしても限界があります。

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1st 機能や設定が多く、探しきれない

では、どうすればよいでしょうか?

SOLUTION ① 管理メニューに検索機能をつける

この問題の解決策としては、インデックス型の探し方を諦め、サーチ型に移行することです。つまり、検索機能をつけてしまいます。

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SOLUTION ① 管理メニューに検索機能をつける

では、どうすればよいでしょうか?

SOLUTION ② 運用観点の説明を充実させる

この問題の解決策としては、運用観点の説明を充実させることです。具体的には、ポップアップで説明を表示する、注意事項を表示する、ヘルプページへのリンクを配置する、といったことです。

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SOLUTION ② 運用観点の説明を充実させる

管理画面はたまにしか利用しないため、利用方法が分からないことがあります。設定などは設定するときにならないと、どういった設定なのか知らないことも多いです。そこで、できるだけ管理画面から情報提供できるようにすることで使いやすくなります。

PROBLEM ③ 複数の機能や設定が関連している

複雑化した機能や設定は、一つだけではやりたいことを実現できなくなっていきます。また、管理メニューは機能によって分類します。複数の機能や設定が関連する場合は単純に分類しただけでは管理メニューのなかでは分散してしまいます。そのため、機能や設定を探すのに手間取ったり、手順を抜かしたり前後してしまったりします。

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PROBLEM ③ 複数の機能や設定が関連している

では、どうすればよいでしょうか?

SOLUTION ③ やりたいことから辿れる

この問題の解決策としては、やりたいことから辿れるようにします。管理メニューは機能を分類しており、やりたいことの分類になっていません。その役割はFAQやガイドなど別のドキュメントに役割を持たせたほうがよいです。

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SOLUTION ③ やりたいことから辿れる

FAQにはお客様がやりたいと質問してきたこと、ガイドにはお客様の業務イベントに沿った手順、がまとめられており、やりたいことを抜け漏れ手順前後することなく実施できるようになっています。

このようにすることで、慣れていることは管理メニューから、不慣れなことはFAQやガイドから辿れるようにすることでスムーズにやりたいことを実施できるようになります。

まとめ

今回の発表では、「なぜ、愛される管理画面を作る必要があるのか?」から紐解きながら、どういった機能を備えておくことが望ましいか紹介しました。

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まとめ

プロダクトの状況によって今回紹介したことが当てはまらないこともあると思いますが、管理画面の使いやすさを向上させる一助になれば幸いです。

Enjoy Engineering!


この記事は、 note.com に投稿した記事の転載になります。
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